銘柄の魅力度を図る指標としてバリューとグロースと言う指標があり、投資する人にもそれなりのこだわりがある場合が多い、株式市場における場合と、一般生活における場合のValueとGrowthを考えてみた
株式市場でのValueとGrowth
Valueは割安度
株の世界では一株あたり資産と株価(PBR)、一株あたり利益と株価の関係(PER)で判断するのがよくある評価方法だ。株価に対して資産価値が高かったり(PBRが低い)、株価に対して利益が高い(PERが低い)ような銘柄を割安(Value)という
Value銘柄は「魅力がない」から割安で放置されていると考える人も多い。例えば
- これから先、利益が成長する見通しがない
- 数年前からずっと割安なまま、毎年割安なので投資妙味がない
などだ、Value株は投資家が割安度に気がつき、割安じゃない水準まで買ってくれて初めて投資妙味があるのだが、いつ投資家が気づいてくれるかわからないので我慢が必要な投資でもある。
ただ本当に割安な企業は大化けする可能性もある、例えば次のような場合だ
- 「他の大企業の足りない部分」を持っている割安企業は大企業によるプレミアム買収の可能性あり
- 市場の需要が変化したときに潜在的な成長性を持っている企業
だ。①に関していえばホームセンターの島忠だったり通信ではNTTドコモだったりするし、②に関しては新薬を開発している製薬会社とか、すごい技術を持っているが、まだその価値が見いだされていない企業などがそう。
結局、個別銘柄分析がかなり重要になっていく
Growthは成長度であり、期待
一番わかりやすいのは利益の成長性
- 前年度に比べて利益が急増
- 今は普通だが将来的に継続して利益が上がりそうな企業
- 市場で高いシェアを持っており競争優位がある
などだろうか。将来の成長性については、これから先の話だし、いくつかの前提条件を変えるだけで、いろいろなストーリーを作り出す事ができる。投資家がキレイなストーリーに納得しやすい銘柄ほど、成長性というプレミアム評価を受けやすい。
しかし利益が本当に出るかでないかは、それなりに予想できることもあるが、数年後の利益は実際にそうなるかどうかは、かなり先にならないとわからない。また「利益は出るだろうけど、そこまでは出ないでしょう」という場合もあり。
例えば2000年近辺のネットバブルの頃には、いろいろな企業が期待で暴騰したが、そのときだけで終わった企業は数多くある。
重要な事実は、結局ダメだった企業でさえ、その頃にショート(空売り)していたら、大損した人が多かったいう事、きちんと予想することが投資家の利益に直接結びつかない場合が多いのがグロース銘柄、悩ましい!
結局は個別に銘柄分析
ValueでもGrowthでも個別に銘柄分析しなければ、単に逆バリしてるだけ、順バリしてるだけとなる。ただし、Growthに分類される銘柄については、いろいろな意味でプレミアムがついている場合があり、そのプレミアム分析はとても重要だ。
実際のポートフォリオではValue的な銘柄とGrowth的な銘柄をバランス良く組み合わせていくことになる。結局、ValueとGrowthは考え方の基準を与えてくれる指標であって、どちらが良いってことではないのだ。
生活におけるValueとGrowthの一例
外食するお店についてのValueとGrowthを考えて見ましょう、先程の銘柄分析におけるValueとGrowthの考え方ととても似ていることに気づくはずです。
Valueなお店は、おいしいけど安いお店
お店は食事するために行くので、美味しさは第一のファクターであり、一般には
- 値段が高い = とても美味しい
- 値段が安い = 味がそこそこ
と考える人が多いので、値段の割に美味しいとValueだというのはわかりやすいと思います
ただし、Valueには多くの場合マイナスの局面もあります。次のような場合です
Valueなお店トラップ (ディスカウント要因)
- 何年も改装しておらず汚くて暗い気分になる
- 値段は安いけど、マナーの悪いお客さんが多くて嫌な気分になることがある
- 化学調味料や濃い味付けでごまかしている、体に悪そう
- お店の人の対応が悪い、安いからってそれないでしょ!
Growthなお店は プレミア感
食事をする際のプレミアムは、人によってこだわりの出てくるところなので考えるのはとても面白い。ここではGrowthはプレミアム部分と考えます
- お店が綺麗で良い気分になれる
- 接客サービスが極上
- 駅の近くで便利
- 席と席の間隔が離れていて落ち着ける
- 客層がいい
- 窓からみた景色がとても落ち着く
など。多くの場合プレミア要素のバランスさえよければ、少しくらい高いお金を出しても満足できるって人は多いのではないでしょう、少なくとも自分はそうです。
トレードオフのバランス問題に帰着
Valueがいいか、Growthがいいかは、結局のところ利用する人の好みの問題であり、現実世界ではその答えは利用するその人の中にしかないと思います。
ただ、いろいろな要因を考えて、状況に応じていろんなトレードオフを選択するという行為は投資と似てますよね。その他にも、いろいろな物事の評価のヒントになりますよ。ときには考えて楽しみましょう!
まとめ
ValueやGrowthっていう見方は、トレードオフを考える際の一つの基準であって、どちらがいいかっていう話ではない。
大事なのは状況に応じて、自分にとっての最適のトレードオフを見つけることですね!