クオンツの年収は?

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クオンツの年収は?

結論をいうと、クオンツの種類と会社で異なってきます。日本の会社を中心に年功序列的な要素も加わります。

  • インセンティブがある
  • インセンティブがない

で大きく変わります、インセンティブがない場合には所属する会社の収益力に依存します。

インセンティブのある職種、そうでない職種

クオンツトレーダー、クオンツファンドマネージャ

こちらはきちっと数字で実績が計測できて、わかりやすいです。ただ国内金融機関ではインセンティブのないトレーダーもいて、その場合は会社の同年代の人達とあまり年収は変わりません。会社の業績に連動します。

インセンティブのない会社では国内大手D証券がそうでした、そこでは自己売買部門自体の評価が低くて、転職していくトレーダーが多いことでも有名でした。かつての同僚だけでも4人知っています。

インセンティブのあるタイプだと、稼いだ金額の7%〜20%くらいが年収となります。10%を超えていくのは、損があまり許されない一部のヘッジファンドです。損すると簡単に解雇されます。稼げれば数千万円になったりしますが、長く続けられる人は少ないです

私の話をすると、国内投信会社でファンドマネージャーをしていたときはちょっと高めの固定年収、大手銀行系証券では成績に応じてレートが変わっていき、最大10%、中堅証券会社ではレート10%だけど、リスク制約が厳しいという感じ。ヘッジファンドは知り合いがいましたが、レートはファンドによってだいぶ違っており、20%近いところは損するとすぐ解雇になります。6ヶ月で解雇になったクオンツチームを知っています。

私が銀行系証券の自己売買部門のいたときも、私の他に3人クオンツ系の人達が入ってきましたが、2年以内にいなくなってしまいました。

アナリスト

こちらはインセンティブがあまりない場合が多いと思います。なぜなら企業アナリストに比べて、金額的な貢献度を図りにくいからです。顧客の絶対数もクオンツ系になると限られてくるはずです。

多いのはお客さんの要望に応じてシミュレーションしてあげたり、データを作ったり、地味な作業を続けることが多いと思います。作業に応じた注文が貰えるとそれがインセンティブに反映されたりすると思いますが、バイサイドは会社の業績連動って感じでしょうか。

インセンティブがあるセルサイドアナリストでもランキング1番になってやっと数千万円になることもあるという感じだと思います。大手証券でクオンツアナリストをやって数年ランキング1位をとっていたかつての同僚の話ですが、その会社でも最初はクオンツは別扱いといういうことで、最初はインセンティブが小さかったということです。後で変わったらしいですが、今はまたどうなっているかわかりません。

リスクモデル・デリバティブモデルを開発する人

MSCIとかオプションに特化したIT企業とかにいるクオンツの人達です。1,000万〜2,000万くらいの人が多いと思います。

クオンツの良いところ、可能性

クオンツをやることで、専門ソフトを覚えたり、データ分析ができるようになります。ITスキルも高められるので、似た職種でもっと収入の高い世界に行ける可能性はあると思います。

収入の高い人達は、ある一定のところに固まっている傾向があり、 そういう人たちと積極的に仕事をすることでも将来的に収入を高めることができると思います。

要は専門的なスキルを身に付けた後は自分次第でステップアップしやすいのもクオンツだと思います。 ただそういったチャンスは自分で探していかなくてはいけないので、意識を高く持つことが大事です。

まとめ

インセンティブのあるタイプで一番わかりやすいのは、トレーダーです。稼ぐ金額の7%〜20%弱が報酬、レーレートが高いのは一部の外資系ヘッジファンド。実績勝負なので何年も続けるのは困難です。派手そうに見えますがかなり厳しい世界。

インセンティブのあるセルサイドアナリストはアナリストランクが1番になれば、数千万円になるかもしれませんが、かなりハードルは高い。クオンツアナリストの場合、企業アナリストよりも金額的な貢献度が分かりにくく顧客の絶対数も少なくなってしまうので、そこそこの人でも1千万〜2千万の範囲内に収まっていると思われます。

リスクモデルやデリバティブモデル系だと安定して高度なスキルが必要になる場合も、1000万〜2000万、システムを組めるエンジニアのほうが高いかもしれません。

クオンツはスキルを高めるほどに、自分でチャンスを見つけてステップアップすることもできます。ある程度の野心をもって意識を高めることがだいじです。